披露宴のメインとも言えるのがお食事タイム。
最近では結婚式で和食が振る舞われる機会も増えてきていますが、和食のテーブルマナーには自信がありますか?
きっと不安に感じている方が多いかと思います。
今回は、和食の食事テーブルマナーを詳しく解説していきます!
- 献立別の基本マナー
- 箸の使い方
- 食器の扱い方
- 座敷の会場で気を付けるべき立ち居振る舞い方
- 和装で和食を美しく食べるコツ
など、徹底的に解説していくので、ぜひ結婚式前に一度チェックしておきましょう!
目次
和食会席で振る舞われる献立・メニュー
披露宴の和食は、9~10品で振る舞われます。
- 1品目:先付け
- 2品目:吸い物(お椀物)
- 3品目:向付け(お造り)
- 4品目:焼き物
- 5品目:煮物
- 6品目:揚げ物
- 7品目:蒸し物・酢の物
- 8品目:ごはん・止め椀・香の物
- 9品目:水菓子・甘味
最近の結婚式では洋食が振る舞われる機会の方が多いです。
和食の会席は馴染みのない方が多いと思いますので、振る舞われる献立の流れは把握しておきましょう。

流れを掴んでおくと、マナーもしっかり守りやすくなります!
和食の基本テーブルマナーを献立別に解説!
上記の献立別に、基本的な和食のテーブルマナーを解説していきます。
細かくて覚えるのが大変かもしれませんが、常識の範囲内であることが多いです。
しっかりチェックしておき、恥のないようにしておきましょう!
先付け
先付け(さきづけ)は洋食でいう前菜です。
お皿にいくつかのお料理が盛られていますが、迷い箸をしないようにするのが基本マナーです。
器は手に持ってOK。器のフチに親指を添えて手のひらで包み込むようにすると美しい持ち方になります。
吸い物(お椀物)
吸い物は汁物です。
細かなマナーですが、お椀をあけたら蓋は裏返しでお椀の奥または右奥におきましょう。
蓋が開けづらいときがありますが、お椀のフチを右手で軽く押すと簡単に開きます。
「の」の字を書くようにずらして開けて中に水滴を落とす「露切り」という作法を使うと美しく見えるので実践してみましょう。
汁を飲む際は、お椀を添えるように箸を入れながら頂くのが基本。
食べ終わった後は運ばれてきたときと同じ状態に蓋を戻します。
向付け(お造り)
向付け(むこうづけ)は一般的にお刺身が振る舞われます。
醤油が垂れないよう、小皿を手に持ちながら頂くのが基本です。
手を受け皿にする・醤油にわさびを溶くのはNG。
わさびをお刺身の上にのせてから醤油をつけましょう。

お刺身の上にわさびをおくことで、わさびの香りと味を楽しむことができるのもメリットですよ!
焼き物
和食会席のメインになります。
最近ではお肉が振る舞われることもありますが基本は焼き魚になるので、左側から小骨を取り除きながら頂きましょう。
口の中に骨が入ってしまった場合は、箸を使い懐紙で口元を隠しながら取り出します。
取り出した骨や皮はお皿の端に寄せておき、懐紙を上にかけて隠しておくとさらにスマートです。
煮物
焼き物に続くメイン料理です。一度口をつけたものを器に戻すのはマナー違反。一口で食べられるよう、大きな具材は箸で小さく切り分けてから食べるようにしましょう。
蓋つきの器の場合、吸い物と同じように蓋を裏返して奥に置きます。
里いもなど滑りやすい食材は箸に刺してもOK。
煮物椀は手で持って問題ありません。手を受け皿にするのはマナー違反なので、受け皿が欲しい場合は蓋を小皿代わりにして汁垂れを防ぎながら頂きましょう。
煮物の汁は最後に口を付けて飲み干してもOKです。
揚げ物
基本的にはて天ぷらや揚げが提供されます。
天ぷらは美しく盛り付けされていますが、これを崩さないように手前から頂くようにするのがマナーです。
天つゆをつける場合は、天つゆの器を手に持って食べましょう。
一口で食べきれない大きな天ぷらやイカなど噛み切りにくいようなものは、くれぐれも一度口をつけてからお皿に戻さないように。しっかり最後まで食べましょう。
魚やエビの尾はお皿の端に寄せておきます。
蒸し物・酢の物
茶碗蒸しなどの蒸し物と、口直しのための酢の物が振る舞われます。
見落としがちですが、茶わん蒸しは食べる前に軽くスプーンでかき混ぜてから頂くのがマナー。器は手に持って食べるのが基本ですが、熱くて持てない場合は器に手を添えて頂く方法でも構いません。
酢の物としてもずくが振る舞われた場合は、すすって食べるのではなく箸ですくうようにして頂きましょう。最後は器の内側に箸を添え、口を付けて飲んでも問題ありません。
ごはん・止め椀・香の物
ご飯、汁物、お漬物が振る舞われます。どれかひとつが残らないよう、バランスよく食べるのがマナーです。
食べる順番は、基本的にご飯から。ご飯と汁物は交互に頂きましょう。
お漬物をご飯の上にのせて頂く方がいますがあまり上品ではないので要注意です。
水菓子・甘未
最後のデザートです。
特に決まったマナーはありませんが、食べ終わった後も綺麗に見えるように一か所に寄せるのがポイント。
披露宴ではこのタイミングでウェディングケーキが提供されることがほとんどですが、残さないように食べましょう。
基本!箸の使い方&食器の扱い方和食テーブルマナー
和食会席のテーブルマナーとして最も気を付けたいのが箸の使い方と食器の扱い方です。
このあたりは気づかないうちにNG行動をしてしまいがち。
しっかりとした箸の使い方と食器の扱い方をチェックしておきましょう。
わかりやすいよう箇条下記で記載していきます!
- 割り箸の場合、テーブルと同じ高さ・膝の上で扇を開くような動作で割る
- 割った割り箸はそのまま使わずいったん箸置きに戻してから使う
- 箸を置くときはテーブルや器の上ではなく必ず箸置きに
- 茶碗や小鉢など小さい器は手に持ち、平皿や大鉢など大きい器は持たずに食べる
- 器の内側には親指を入れない(親指は添える程度で)
日本人にとって箸と食器の使い方はなじみの深いものです。

日頃からしっかり守れるよう意識しておくといいでしょう。
正しい箸・お椀の持ち方
正しい箸とお椀の持ち方は、下の動画を参考にしてみましょう。
慣れるまで大変かもしれませんが、一度マスターしてしまえば非常に上品でスマートです!
箸と食器の使い方でタブー&NGな行動
箸と食器のタブー&NG行動は、知らず知らずのうちに癖になってしまっている人も多いです。
見栄えも悪く決して上品とは言えない行動ですので、特に結婚式などフォーマルな場ではやらないように気を付けましょう。
- 一度口をつけた箸で人や物を指す(刺し箸)
- 箸で食器を引き寄せる(寄せ箸)
- 箸を舐める(ねぶり箸)
- 箸を持った手で食器を持つ(持ち箸)
- 箸をスプーンのように手のひらで握る(握り箸)
- 同じ料理を他の人と同時につまむ(拾い箸)
- 箸で食べ物を刺す(差し箸)
- 箸を持ちながらどれを食べようか器の上をさまよう(迷い箸)
- 箸を器の上に置く(渡し箸)
- 好きなものだけ箸で探って分ける(探り箸)
- 箸を使って人に呼び掛けたり振り回したりする(振り上げ箸)
- 箸で口に食べ物を押し込む・たくさん頬張る(こみ箸)
- 汁を垂らしながら食べる(涙箸)
- 箸をご飯の中央に突き立てる(突き立て箸)
- 手を受け皿にする
- 食べ終わった器を重ねる
箸や食器の使い方のタブー行動は意外と多いです。
すぐに意識しろといわれても難しい部分なので、できるだけ日頃から気を付けておきたいですね。
座敷などの会場で気を付けるべき立ち居振る舞い方
和婚など、会場が座敷である場合の立ち居振る舞いも気を付けたいものです。
普段慣れない座敷の会場だからこそ、しっかりチェックしておきましょう。
【靴の脱ぎ方】
- 玄関の中央を少し避け、前向きに靴を脱いで上がりましょう。
- 上がったら振り向いてひざまづき、脱いだ靴を端へ揃えて置きます。
(下駄箱がある場合はそちらへ)
【座敷で注意しておくべきポイント】
- 敷居や畳のへり、座布団を踏まない
- 床の間に近い順に上座、出入口に近い方が下座になる
(席は決まっていることがほとんどですが覚えておきましょう)
【和装向け】和食を食べる姿を美しく見せる4つのコツ
新郎新婦でもゲストでも、和装の場合は普段着慣れていないもののためどういった立ち振る舞いをするべきか悩んでしまう方も多いはず。
結婚式はフォーマルな場ですので、最低限の立ち居振る舞いと美しく見せるためのポイントを押さえておきましょう。
背筋を伸ばす
和装は帯があるので自然と背筋は伸びやすくなりますが、できるだけ自分の中でも意識するようにしましょう。
顎を引いて真っすぐの目線でいるとさらに凛とした美しさを引き出すことができます。

姿勢を正そうとする一心で胸を張りすぎてしまったり、ガニ股になってしまったりしないように要注意です!
片方の袖口を押えながら乾杯する
着物は袖が長く動きづらいのが特徴です。
特に乾杯のときは手を挙げる動作をするのでどうしたらいいのか戸惑ってしまいがちですが、慌てず落ち着いて動きましょう。
和装の時に肩より腕を高く挙げる場合、グラスを持っていない方の手で挙げた手の袖口を添えるようにするととても美しく見えます。
披露宴開始の乾杯の時だけではなく、食事中に乾杯を求められたときも同様にこの動作を行いましょう。

袖口に手を添えないと、袖が垂れて二の腕がむき出しになってしまうので要注意!
懐紙を持参する
上記でも何度か記載しましたが、和食会席のときには懐紙(かいし)を持参しておくとスマートです。
懐紙とは、2つ折りの和紙のことで、汚したものや残したものを隠したり、手が汚れないように添えたりするのに使います。
最近では持参する人自体減ってきましたが、だからこそ持っておくととても上品に見えますよ。
![]() |
【茶道具】【懐紙かいし】【メール便送料無料】利休懐紙女子用無地30枚入り3帖包み 価格:510円 |
【懐紙】和詩倶楽部 懐柄紙 招き猫 30枚入り (KG-044) 価格:440円 |
![]() |
「ご馳走様でした」のサインを覚えておく
洋食ではフォークとナイフを揃えて皿の上に寄せておくことがご馳走様でしたのサインになるのが基本です。
和食の場合、食べ終わった後は膳の外に食器を重ねずに出します。
箸は箸置きに揃えて置きましょう。
割り箸の場合は箸袋に再度入れて先の方を少し折り曲げておきます。

以上が和食のご馳走様のサイン。覚えておきましょう!
まとめ
最近では結婚式では洋食が振る舞われることが一般的であるため、和食のマナーは見落としがちです。
2013年12月には和食が世界文化遺産に登録されたということもあり、近年結婚式で和食を振る舞う方が徐々に増えてきているようです。
いつその機会が訪れても恥をかかないよう、これを機にしっかり和食のマナーを確認しておきましょう!
記事ID:3047
コメント