結婚式で流す曲って、特にこだわりたいですよね!
でも厄介なのが、BGMの著作権。
実は、結婚式で楽曲を使用する場合、手続きや申請を行わないと“著作権の侵害”になってしまうことがあります。
しかも、結婚式のBGMに対する著作権って、演奏権や複製権など種類があって余計にややこしいんです。

私もプランナーに説明してもらったけどややこしすぎて全然意味わからなかった・・・

理解できないまま適当に進めちゃったよね(笑)
そこで今回は、結婚式のBGMの著作権法をわかりやすく解説していくとともに、正しく楽曲を使う方法についてまとめていきます。
目次
結婚式の音楽著作権について理解を深めてほしい理由
著作権のある音楽を商用利用する場合、手続きや申請を行い、使用料としていくらか著作権の所有者に支払わなければいけません。
そのため、結婚式でBGMを利用するだけでも、数千円~数千万円とかかってきてしまうんですね。
「なんで音楽を流すだけでこんなに高額を払わなければいけないの?」と納得いかない気持ち、とても分かります!

私もそうでした。結婚式なんてただでさえお金がかかるのに、BGMにまでお金がかかるとは思ってもいなかったから・・・

著作権は難しいしややこしいし、理解しないままお金だけを支払うのもやっぱり納得いかないよね。
だからこそ、新郎新婦には今一度音楽著作権について詳しく知ってほしいと思ったのです!
著作権の知識はとてもややこしいですが、最終学歴が定時制高校だった私でも十分に理解できました。
しっかり理解して、納得のいく形で料金を支払い、気持ちよく結婚式に挑めるようにしましょう!
楽曲の著作権には「著作隣接権」と「著作権」がある
そもそも著作権とは?という話からになるのですが、楽曲に対する著作権には「著作隣接権」と「著作権」の2種類があります。
- 著作隣接権…演奏している人とレコード会社などの製作者が持つ権利
- 著作権:作詞作曲をした人が持つ権利

最終学歴が定時制高校の私はもうこの時点でややこしい・・・
分かりやすく説明すると、AKB48が著作隣接権を持っていて、秋元康が著作権を持っているということですね。
楽曲を商用利用する際は著作権者に許可を取る必要があり、場合によっては著作隣接権にも許可が必要なことがあります。

AKB48のCDを商用利用で流す場合は、秋元康さんにも許可が必要になるということですね・・・。
でも秋元康さんはとてつもなくお忙しい方なので本人にお願いすることはできません。
そこで用意されたのがJASRACなどの著作権管理事業者。
こういった著作権管理事業者を通すことで、楽曲の使用許可を取ることができます。
そもそも結婚式のBGMって商用利用なの?
結婚式とは言え、新郎新婦が商売をするわけではないですし、商用利用なのか疑問に思っている方も多いですよね。
実は、BGMを流すこと自体が式場のサービスに含まれているため、営利目的の使用だと判断されます。
とはいうものの、今時はほとんどの式場がJASRACと契約をしているため、市販されているCDであれば問題なく流すことは可能です。
しかし、CD-Rなどにコピー(複製)したものを流す場合は、別途で許可を取る必要があります。

オープニングムービーやエンドロールなどに曲をコピーした場合などは別途許可が必要ということですね!

そうそう、ここが少し厄介なんだよね~。
結婚式に必要になる著作権は「演奏権」と「複製権」
楽曲の著作権には「著作隣接権」と「著作権」の2種類があるということを説明していきましたが、実はここからまた少しややこしくなります。
結婚式場で楽曲を流す場合は、「演奏権(演奏利用)」と「複製権(複製利用)」が必要になります。

まだあったのかー!!
詳しく説明を見てみましょう。
演奏権(演奏利用)とは?
式場で市販されているCDを流すことを演奏利用と言い、演奏権が必要になります。
ただし、式場がJASRAC(ジャスラック)等の著作権管理事業者と契約をしている場合であれば費用などはかかりません。

余興などでアーティストの曲をバンド演奏する場合なども同様ですね!
ちなみに、演奏利用にあたる結婚式のシーンには以下のようなものがあります。
- チャペルや披露宴での生演奏・生歌唱
- チャペルや披露宴でのCD再生
- 余興などのカラオケ利用
- プロフィールムービーなどのムービー上映
今はほとんどの式場が著作権管理事業者と契約をしているので、演奏利用についてはそこまで心配する必要はありません。
複製権(複製利用)とは?
最近はあまり聞かなくなりましたが、自分の好きな曲を集めてCDに焼くなどする行為のことを複製利用と言い、複製権が必要になります。
ちなみに、CDだけではなく、iTunesでプレイリストを作るなど、データを複製すること自体が複製利用となるので要注意。
私的利用であれば問題はありませんが、結婚式などの商用利用で許可なく行ってしまった場合は著作権法違反になってしまいます。
プロフィールムービーやエンドロールを流す際に使われたBGMなどが複製利用にあたるため、別途で申請が必要です。

ムービーと楽曲を1枚のディスクに複製しているから、複製利用になるってわけですね。
結婚式を撮影したDVDなども同様。BGMが録音されているので複製利用とみなされます。
また、「ムービーでサビだけ使いたい!」と編集する場合は、著作者人格権と実演家の人格権の侵害に当たるので許諾が必要です。

ややこしすぎる、難しすぎる・・・
つまりは、ムービー系で著作権のある曲を使いたい場合、どちらにせよ許諾が必要になるってことね。
著作権のないフリー素材の楽曲を使う場合は、許諾は必要ありません。
複製利用にあたる結婚式のシーンには以下のようなものがあります。
- BGM用に複数の楽曲を1つのディスクにまとめたCDの作成
- プロフィールムービーなどのDVD作成
- 挙式や披露宴の様子を録画した記録用DVD作成
プロフィールムービーなどの作成時に伴う複製利用の申請方法
上記で説明した通り、プロフィールムービーやエンドロールを作成する場合、複製利用の申請が必要になります。

申請しないで作っちゃうと著作権法違反になっちゃいますからね!
複製利用の許諾については、許諾を代行してくれるISUM(アイサム)という社団法人を介して申請を行います。
ただし個人では申請できないので、式場や映像制作会社にお願いをする形になります。
ひとまずは、「プロフィールムービーにこんな曲を使いたい」という旨を式場に相談するのが安パイですね!
ISUMの楽曲データベースをチェックする
実は、ここでまた厄介なことがひとつありまして・・・
プロフィールムービーなど複製利用で楽曲を使用したい場合、ISUMの楽曲データーベースにある曲から選ぶ必要があります。
ISUMの楽曲データベースはこちら↓↓
つまり、ISUMの楽曲データーベースにない曲はムービーには使用自体ができないということ。
楽曲データベースのページにもある通り、ない楽曲は「楽曲リクエスト」から登録のリクエストを行うことができます。
リクエストを行うことで、ISUMが楽曲権利者に複製利用の可否を確認してくれるそうです。
利用可否確認は最短で1ヶ月ほどかかるため、余裕を持ってリクエストしておきましょう。
リクエスト自体に料金は発生しません。
権利者から許可が得られないケースや、そもそも権利者に確認が取れないケースもあるようなので、できるだけ余裕を持ってリクエストを行い、その後の対応を考える時間を設けておくといいですよ。

映画の挿入歌だったり洋楽(特にマイナーなアーティスト)だったりは、許諾自体取るのが難しいケースが多いようです。

特に洋楽は海外にいる権利者への確認が必要になるから大変なんだろうね。

私たちは映画の主題歌の曲をオープニングムービーに使いたかったのですが、楽曲データベースにはなく、リクエストがギリギリになってしまって結果間に合わず苦労しました。

結果、曲自体使うことはできたけど、苦労したよね。
著作権の問題で結婚式のムービー系に好きなBGMが使えないときの対処法について書いた記事があるのでよろしければご参考ください↓↓
複製利用でかかる料金は1曲いくら?
複製利用をする場合、料金を支払う必要があります。
こちらは実際に私の式場で出してもらった見積りに記載されていた料金です。
- 静止画の場合:2,613円/1曲
- 動画の場合:4,725円/1曲
プロフィールムービーやエンドロールなど、静止画を流して曲を乗せる場合は1曲2,613円、動画の場合は1曲4,725円になります。

意外と高いんですよね、いい商売してるわ・・・。
1曲の値段なので、収録時間が長くなってしまいがちな記録映像などで、披露宴で流した曲をそのまま使いたい場合などはかなりの金額がかかってきます。
そのため、最近では記録映像などは著作権フリーの楽曲を使って対応する業者が増えてきていますね。
ちなみにこの料金は基本的に式場側が一括で見積りを出してくれるので、個人でISUMに支払ったり手続きをしたりする必要はありません。
基本的には式場に任せてOKです。
演奏利用にはCDの原盤が必要!
披露宴での新郎新婦入場や乾杯、ケーキ入刀など、各演出で使うBGMとしてCDを用意する必要がありますが、必ず原盤のディスクが必要になるので注意です。
昔まではパソコンで曲をダウンロードして、CD-Rなどにまとめるという方法でもOKでしたが、最近は著作権法がより厳しくなった関係で、そういった対応は一切NGとなっています。
iTunesなどスマホにダウンロードした曲、レンタルショップのCDもNG。
こういった関係でCDを集めるのも大変になるので、BGM選曲はできるだけ余裕を持って行っていきましょう。

CDは中古でもOK!

私たちはほとんどメルカリなどのフリマアプリで揃えましたよ!安いし色々なCDが出品されているのでおすすめです!
結婚式で曲を流す場合のシーン別ルールをチェック!
最後におさらいとして、曲を流す場合のシーン別でルールを確認していきましょう!
余興でカラオケや生演奏をする場合は著作権侵害になる?
演奏利用となり演奏権の許可が必要になりますが、ほとんどの式場がJASRACを通じて使用許可を得ているので問題ないでしょう。
新郎新婦が必要な手続等もないので心配ありません。
CDではなくiTunesでダウンロードした曲を流すのは?
上記でも説明しましたが、お金を払ってiTunesで購入・ダウンロードした楽曲であっても、結婚式で流してはいけません。
実は、iTunesの利用規約に、ダウンロードした楽曲は個人利用・非商用利用のみに限定されるという記載があります。
楽曲を流す場合はディスクの原盤のみとなるので注意しましょう!
親族だけの少人数の結婚式でも商用利用になるの?
身内だけの数名で行われる小規模の結婚式であれば、法律上は私的利用の範囲になります。
この場合、特に許可はなくCDを流したり、iTunesで購入した楽曲を流したりしても問題ありません。
ただし、“何人までの結婚式が小規模なのか”という具体的な数値を出すのは難しいため、プランナーにしっかり確認しましょう。
著作権フリーの曲であれば何の手続きもいらないの?
世の中には著作権フリーの楽曲や、作成者の死後50年が経過して著作権が消滅した楽曲があります。
こういった著作権フリーの楽曲は、特に手続きは必要ありません。
ただし、こういった場合もコピーして使うのはNGな場合があるので式場に確認してみましょう。
まとめ
結婚式のBGMにおける著作権のルールはお分かりいただけましたか?
意外と難しいと思っていた著作権法も、理解しようと思えば簡単に理解することができたと思います!
2017年頃から音楽著作権法が厳しくなってしまった関係で、結婚式のBGMの著作権もかなり問題視され少し面倒なことになってしまいましたが・・・
しっかり理解しておけば、そこまで難しくはありません。
申請方法に関しても新郎新婦が必要になるものは、ISUMの楽曲データベースに使いたい曲がない場合の「楽曲リクエスト」のみです。
それ以外の申請方法や複製利用の料金の支払いなどは、全て式場が行ってくれるので心配しないでくださいね。
ぜひ今回解説した情報を、他の新郎新婦さんにもシェアしてくださると嬉しいです。
スムーズなBGM選曲で、素敵な結婚式にしてくださいね♪
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